センセーショナルな医療記事は必ず疑ってかかろう
みなさま、こんにちは。
まだまだ寒い日はありますが、日ごとに日の長さが長くなってきてワクワクしますね。
早く、外でお酒が美味しく飲める日が来てほしいものです。
さて。
今日のタイトル。
ヤフーの記事を見てぶったまげましたのでブログに書くことにしました。
驚いた記事はコレ
いやあ、もうね。
どうやったらこんな無責任な記事を垂れ流せるのでしょうか??
開いた口がふさがりません。
予防医療を推奨する側の人間として、ほんと、怒りしかわきません。
数分で読める記事なので、このブログを読む前に一度ざっとお読みいただければと思います。
では、まず始めに
「検診って何?」から考えてみたいと思います。
「健診」と「検診」の違い。ご存知ですか?
「検診」は検査して診断する、という意味です。
「検診」の対象は要検査となった方となります。
要検査の対象とは?を考える時に出てくるのが「健診」です。
「健診」は「健康診断」の略です。
読んで字のごとく、健康を診断する
あなたはドンズバ「正常です」を判断するものです。
健診の対象は全ての人です。
この健診で「正常」から漏れた方が「検診」の対象です。
次に「検診」というのは予防の考え方から言うと「2次予防」というカテゴリに入ります。
1次予防は病気の予防
2次予防は早期発見・早期治療
3時予防は再発防止
検診の対象者は今の説明のように健診で見つけれらることもあれば、病気の特性から既にハイリスク群と呼ばれる群に対して実施する場合があります。
日本の乳がんの検診対象(所謂ハイリスイク群)は多くの市区町村で40歳以上が対象となっています。
なぜ40代以上がハイリスク群なのかというと、
40代以下では検診実施が死亡率を変化させる結果とならないから40代以降にしましょうということです。
ここで気をつけないといけないことは
あくまで集団の死亡率に変化がないと言っているだけであって、個々が検診することに「意味がない」と言っているのではないのです。
大きな集団の死亡率に影響がないから国として(予算を使って実施する)効果がないと言っているのです。
予防は大集団に対してどうだったかでその効果を推し量られるため、個々への影響は効果指標にはならないのです。
繰り返しますが、集団を動かす効果がないからと言って「あなたに効果がない」とは言ってないのです。
次に
日本乳がん検診学会に記載されている記事をまず読んでください。
「2009年11月、米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force, USPSTF)は、それまで「40歳以上の女性に対して、マンモグラフィを用いた乳がん検診の1~2年に1回の受診を推奨する」としていた推奨(グレードB)を、「40歳代の女性に対しては、マンモグラフィを用いた定期的な乳がん検診を行うことを推奨しない」という推奨(グレードC)を発表しました。」
おそらくは、このアメリカの指摘がこのヤフーの記事に繋がっているのだと予測されます。
このアメリカの委員会への日本の回答も載っています。
「年齢別に乳がん罹患率を比較すると、米国では40歳~50歳代に比べて60歳以上の女性で高くなるのに対して、日本では40歳~50歳代の女性の方が60歳以上よりも高いことから、今回の米国専門委員会の勧告(40歳代のマンモグラフィ検診)は日本に対して、より大きな影響を及ぼすものと考えられます。」
病気の地域差、人種別の発症の差を考慮する必要もあります。
というふうに。
日本の乳がん罹患率とアメリカに差があるということもこのヤフー記事には何も述べれられいません。
そして、このヤフー記事には何度と無く「無用」といった言葉が出てきます。
たとえば
『無用な治療を受ける可能性を排除することはできないのです。』
『毎年9000人~1万8000人もの女性が、無用な治療を受けている可能性があるのです。』
この言葉、わたし非常にひっかかります。
だって
無用な治療ではなかったかもしれない可能性は?
無用だったかもしれないはあくまで推測なのです。
風邪をひかなかった人に、風邪予防のためにしたことが本当に効果があったかどうかはわからないのです。
そこには無用であった可能性もあれば、無用でなかった可能性も多分にあるのです。
アンジェリーナ・ジョリーが乳がんのリスクを減らすために、乳房切除に踏み切りましたね。
彼女のしたことは他の人にとっては「無用なのこと」だったのかもしれません。
けれど、彼女にとっては非常に「有用なこと」だったのです。
愛する子どもたちに自分がいなくなるかもしれない可能性を味あわせたくない
彼女の選択を否定する権利がいったい誰にあるのでしょうか?
この記事には無用な治療と書かれていますが、その治療を受けた方々に尋ねたらどういう結果となるでしょうか?
その効果を無用か有用かを判断するのは選択した「当人」なのです。
予防というのは無駄という言葉と背中合わせなものなのです。
だって「かもしれないもの」不確かなものに対する対処なので。
乳がん検診が無用だったかもしれないのは、病気になっていないからこそなのです。
集団検診が死亡率を減少させないからといって「あなたにとって必要ではない」とは言えないのです。
多くの人に効果がないからあなたにも効果がないか、はわからないのです。
それが予防です。
予防という性質を踏まえた上で、この記事の内容を書けばこういった見出しにはならなかったはずです。
そして最後に。
この記事のどうしようもなさ。
私の最も怒りが沸くポイント
検診を否定するならば、それに変わる代替案を何一つ記載していないから。
これが一番腹立たしいのです。
検診が必要でないというのならば、逆に日々の触診がとても重要であること
セルフチェックの重要性こそが認識されなければいけません。
それを何一つ説いていないのです。
検診は無用
これだけ書いていて、いったい読者に何を得て欲しいのでしょうか?
検査や予防は治療ではないので、ご自身で選択の余地があります。
何をどこまでするか?は自身の健康観に左右されます。
無駄を省くのか、リスクを最小限に抑えるのか?
自分のために何かをする、考える
この姿勢が大切ですね。
今朝の体重・・・48.6kg(身長159cm)前日比わからず
朝ごはん・・・食パン・ゆで卵・大豆餡・カスピ海ヨーグルト・コーヒー
炊飯器で作った大豆の餡子が中々美味しかったです♪
昼ごはん・・・自作弁当(おからとチキンのカレー)
夜ごはん・・・未定